コクリエイション(共創):新たな段階へ

先日、フランス・パリに本拠地をおく eYeka(アイカ)という企業のブログに私の記事を寄稿させていただきました。同社は、パリのほかにも、に拠点をもち、世界各地で企業とクリエイターとを結びコクリエイション(共創)を推進する企業として注目されている企業です。
私も同社の企業哲学に賛同し、いちクリエーターとして参加しているのですが、同社の活動など、くわしくは以前このブログで『企業を元気にするコクリエイション(共創)〜 eYeka(アイカ)のWEBサービスを考察する〜』という記事に書いていますので、よろしければそちらをごらんください。
そこで今回は、多くのみなさんにお読みいただきたく、同社のブログに寄稿した記事を翻訳したうえで、こちらに転載させていただこうと思います。

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※写真はイメージです。本文とは一切関係ありません。

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LVMHは「NOWNESS」で一体何をしようとしているのか

パリ・モンテーニュ通りに本拠地をおくコングロマリットLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン:以下、LVMH )が運営しているデジタルマガジン「 NOWNESS 」が、この 2月25日で誕生から4年を迎えます。このサイトは、2011年に村上春樹氏の『 1Q84 』の英語版が刊行されたとき、村上春樹氏の文芸作品にインスパイアされたアート作品を募集したことでも話題になりました。
ルイ・ヴィトンをはじめ、ロエベ、セリーヌ、ディオール、フェンディ、ケンゾー、ジバンシィ、ブルガリ、ドン・ペリニヨン、ヘネシーなど、名だたるラグジュアリーブランドを擁する一大ラグジュアリーブランドグループは、インターネットに生みだしたデジタルマガジンを通じて、一体何をしようとしているのでしょうか。
今回は、つねに業界をリードし、いち早くデジタルメディアのもつ可能性に注目し、積極的な取り組みをつづけてきたLVMHが、その試行錯誤の結果としてたどりついたデジタルマガジン「 NOWNESS 」について考察していきたいと思います。

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screen shot of NOWNESS website

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なぜバーバリーはデジタルネイティブの支持を得られたのか

1856年 創業、 耐久性と防水性にすぐれたギャバジンを発明したことでも知られるバーバリー。今、このイギリスを代表するラグジュアリーブランドが、業界の常識を覆すようなオンライン戦略によってデジタルネイティブをはじめとする若い世代に注目を浴びています。デジタルネイティブとは、生まれながらにしてインターネットやパソコンをはじめとするデジタル機器に親しんできた世代。さまざまな業界でデジタル化を牽引する原動力となっている存在です。はたして彼らはバーバリーのなにに共感したのでしょうか。
オーディエンスと企業がフラットにつながるソーシャルメディア時代。誠実さと透明性が求められるインターネット空間において劇的な復活を遂げたバーバリー。
今回は、その強いブランドづくりへ向けたいくつかの施策に焦点をあてて、ラグジュアリー消費を生みだしたポイントについて考察していきたいと思います。

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screen shot of Art of the Trench website

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2014年 知っておきたいアドテクの基礎用語

年明け早々、日経デジタルマーケティングに「 セブン&アイが 2014年度のネット広告予算を 10倍以上へ、 オムニチャネル推進へ戦略転換(リンク)」という記事が掲載されて話題となりました。 テレビCMやチラシ広告などに頼っていた宣伝活動を大幅に見直して転換する方向へすすむとのこと。 約100億円に引きあげられたネット広告費によって、はたしてどのような展開をみせるのでしょうか。日本最大のコンビニエンスストアチェーンのセブン - イレブン・ジャパンをかかえる総合流通グループであるだけに、その動向がとても楽しみです。
そこで今回は、日々刻々と進化するアドテクノロジーの世界に話題をとり、これだけは知っておきたい基礎用語を簡単に紹介していきたいと思います。

image from flikr: Sebastian Bergmann
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4つのステップで理解するDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)

Webテクノロジーを活用してオーディエンスの状況を把握し、適切なメッセージを送信したり、 最適なタイミングで広告配信をしたりする DMP( データ・マネジメント・プラットフォーム、以下 DMP)が、 マーケティング・媒体関係者や業界のトレンドに敏感な企業から注目されるようになってきました。
じっさいには企業と媒体社とでは DMP の使い方に大きな違いがあるのですが、どちらにも共通しているのは DMP を利用する目的で、オーディエンスの行動データを管理することが重要なポイントとなっています。また、これまで広告業界では、広告の売買に関しては広告枠という意識がつよかったのに対して、 DMP においてはオーディエンスをどう捉えるかに重点が置かれるようになりました。
今回は、この DMP がどうやって使われているのか、 4つのステップを通して見ていきたいと思います。

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image from flikr: Justin Grimes
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インバウンド・マーケティングからインバウンド・エクスペリエンスへ

近年、マス広告や Eメールなどを活用して生活者へアプローチをする従来型のアウトバウンド・マーケティングの手法にかわり、 Google などの検索エンジンやブログ、ソーシャルメディアを通じて訪れた生活者に応えていく新しい手法、インバウンド・マーケティングが注目されています。
これは企業がお客さまに向かっていくのではなく、お客さまに自分たちを「見つけてもらう」ことを志向するマーケティングの手法です。このインバウンド・マーケティングという概念を定着させたのは、アメリカのオンラインマーケティングサービス会社・Hubspotを起ちあげたブライアン・ハリガン氏とダーメッシュ・シャア氏の二人で、2009年にはそれに関する著書も出版しています。
コンテンツの質とその役割が問われる現在、インバウンド・マーケティングの必要性が次第に認知されるとともにその概念も次第に拡張され、それが活用されるべき市場は大きく広がっています。そこで今回は、その導入のプロセスと各時点における注意点などについて考察していきたいと思います。

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image from flickr: Per Corell
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スマートフォン・アプリを海外へ売り込むポイント

IT専門調査会社・IDC Japan が2013年6月にインターネット上で実施した調査によれば、日本におけるスマートフォンの普及率は49.8%で、若年層ほどその所有率は高く、 10〜20歳台では 76.3%となっていました。まさにスマホ・ファーストの時代到来です。それに加えて、スマートフォン・アプリのダウンロードも年々伸びており、今や日本はアプリ大国と呼んでもいいほどの活況を呈しています。
こうした中、スマートフォン・アプリの海外展開を考える開発会社も少なくありません。そこで今回は、今後の成長が見込まれる中国市場を視野に入れつつも、まずはアメリカ市場にターゲットを絞り、英語圏でスマートフォン・アプリを展開するためのポイントについて書いていきたいと思います。

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ソーシャルメディアと「たたずまい」

あるセミナーでいただいたソーシャルメディア関連の資料を探していたら、以前にNHKのEテレで放送した宝生流の舞台「熊野(ゆや)」を録画したDVDを見つけました。「熊野」は能楽の中でもとりわけ人気の曲で、華やいだ春の風景の中、主人公である熊野の心のうごきをゆるやかに描いていく、多くの人がイメージするような、いかにも能楽らしい作品です。私は、DVDに貼られた自作のラベルに目をやりながら、福原麟太郎さんが書いた『芸は長し』の中の、ある随筆を思い出していました。「近藤乾三氏の熊野が、南をはるかに望むればと上扇だか何だかをしたときは、あっと感心した。このおじいさん、何も考えてはいない。ただ形をしているだけに過ぎないのである。然るに美しい。ああいうのはどうにもならない。」- 『能の秘密』と題された随筆の一節です。
古典や歴史への理解がないと楽しめないなどといわれる能楽や狂言ですが、素のままで、演じるものと観るものとのあいだに生まれる美しい空気を感じるという楽しみ方もあることに私はあらためて思いを馳せました。そして、そんなことを思いながら、ソーシャルメディアとオーディエンスとのあいだにも、このような関係を築くことができるのだろうかという命題に行き当たったのです。そこで今回は、ソーシャルメディアと「たたずまい」について考えていきたいと思います。

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Noh Mask 能面 by CanadaPenguin from flicker

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ながらスマホの事故防止に一役 〜TOYOTA: QR Road〜

さまざまな機能がつねにアップデートされて、日ごとに便利になっていくスマートフォン。もはや、24時間365日欠かせないアイテムです。私は以前、「なぜ今 オウンドメディアに KPI(重要業績評価指標)を設けるべきなのか」というエントリーで、スマートフォンの便利さが引き起こした「ながら視聴」という現象にふれたことがありました。つまり、テレビを見ながら、パソコンを使いながら、ビデオゲームをしながら、新聞や雑誌を読みながら、同時にスマートフォンからも情報を得ているという現象です。
そして今、街を歩いているときにも見かけられる「ながらスマホ」が物議を醸しています。また時と場合によっては、この「ながらスマホ」がまわりの人たちに迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。さらには、自分の身に危険がおよぶこともあるのです。
今回はそうした状況に警鐘を鳴らす海外のキャンペーン広告を取りあげて紹介していきたいと思います。

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from YouTube (screen shot)

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Coming soon ページ 成功に導くいくつかのこと

私は以前、このブログの「試案:地域再生支援サイト Say-Ya !(せいやッ!)仮」というエントリーで、Qixil(以下、キクシル)というWebサービスについてふれたことがありました。キクシルは、信頼できる集合知をつくることをコンセプトとした、高品質な知識が集まるQ&Aサービスです。キクシルには、私のようなマーケティングやソーシャルメディアにかかわるもののほか、エンジニアや起業家、投資家などさまざまな分野の専門家が登録していて、毎日価値的なやりとりが行われています。
先日、キクシルに「 サービスローンチ前の Coming soon ページを作成する際に注意する点はなんでしょうか。」という質問が投稿され、私は基本情報とソーシャルメディアの連携やSEOなどをふまえ、その質問に回答しました。
今回は、そこでの回答を私自身の覚書きとして、すこし加筆したうえでこのブログに残しておきたいと思います。

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image from SafeByte (http://www.safebyte.com/)

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カンヌライオンズ:モバイル部門が教えてくれたもの

私は前回の記事で、今年60年目を迎えた世界最大の広告フェスティバル「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(以下、カンヌライオンズ)」に新設されたイノベーション部門でグランプリを獲得したオープンソースのC++ライブラリ「Cinder」について書かせていただきました。同記事には、広告関係者をはじめ、Webデザイナー、エンジニアなど多くの方々からご感想やご評価をいただき、ありがとうございました。
今回も、前回につづき、「カンヌライオンズ」に関連する記事を書かせていただきたいと思います。
広告を集めた祭りから、創造性を刺激する場へと、その姿を様変わりさせている同フェスティバルでモバイル部門でグランプリに輝いたキャンペーンが教えてくれたもの。それもまた、「Cinder」と同じように、私たちにクリエイティブの意味をあらためて考えるきっかけを与えてくれるものでした。

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カンヌライオンズ:新設されたイノベーション部門でグランプリを獲得したものとは

毎年6月にフランス・カンヌ市で開催される世界最大の広告フェスティバルが今年60年目を迎えました。その起源は1954年。映画全盛の当時、劇場コマーシャル広告の業界団体が「カンヌ国際映画祭」の開催にあわせて同じ場所ではじめた広告祭が「Cannes Lions International Advertising Festival(以下、カンヌ国際広告祭)」の母体となり、その後、広告イベントとして独立し現在にいたっています。そして、アラブの春、ジャスミン革命、東日本大震災などが起こった2011年、「カンヌ広告祭」はひとつの重要なターニングポイントを通過しました。「Advertising(広告)」という、私たち広告業界に身を置くものにとって最も重要だと考えられていた言葉がそのタイトルから前触れもなく突然のように消えてしまったのです。震災の後、自分たちのあるべきかたちとその関係性を模索していた私の頭に衝撃が走りました。新しいタイトルは「Cannes Lions International Festival of Creativity(以下、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル)」。これはまさに、今や企業のそして世界のソリューションとなりうるものはクリエイティビティでしかないということを象徴していました。
そして、今年の「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」に新設されたイノベーション部門に起こったできごとで、広告業界にまた新たな衝撃が走りました。今回はそのできごとが私たちに突きつけたものと、それに関連した私の所感を書いていきたいと思います。

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